大種牡馬サンデーサイレンス
サンデーサイレンスとは
サンデーサイレンスとはアメリカ生まれの馬で、現在の日本の競馬界の競走馬の殆どにサンデーサイレンスの血が混じっている、というぐらいの大種牡馬です。イニシャルからSS(エスエス)と呼ばれることもあります。
SS産駒やサンデーサイレンスの血が入っている馬をサンデー系などと言います。
低評価だったサンデーサイレンス
父はヘイロー、母はウィッシングエル(G2勝ち馬)であり、血統だけでみるとかなりいい馬のようでしたが、この父と母はかなりの気性があらくサンデーサイレンスも同じく気性が荒かったといわれています。
サンデーサイレンスが産まれた当初は評価もかなり低く、特に後脚がX字に曲がっていたこともその理由でした。低評価のおかげでセリで売れ残り、母馬の馬主にも買取を拒否されたといわれています。
しかし、いざダメ元でレースへ出走されてみると2冠を取るなど大活躍。その気性の荒さが勝負強さへ影響したとも言われています。その気性の荒さは騎手が騎乗拒否を起こすほどであったといわれています。
サンデーサイレンス、日本へ
低評価でしたが、年度代表馬へのし上がったサンデーサイレンスは種牡馬として大金で売りに出されました。しかし、血統的な評価が低く(気性の荒い血統)レースで活躍した割りには種牡馬としては全く人気がありませんでした。
しかし、社台グループ創業者である吉田善哉氏に16億5,000万円で売却されることになったのです。当時アメリカでは種牡馬として活躍できない馬を日本人が大金を出して購入した・・・。と、笑い者になったようです。
しかし、サンデーサイレンスのような雑草馬の成功例が日本人は大好きで、日本に入ってくる前からかなりの人気があったようです。
馬の売買は大金の割にはその後の活躍が保証できない場合があるので、株式のような株数で売買されますが、あっという間に満口となったようです。
結果、初年度の産駒からはG1馬を何頭も輩出し一気に大人気種牡馬となりました。
サンデーサイレンスの産駒としてフジセキ、サイレンススズカ、ステイゴールド、スペシャルウィーク、ディープインパクト、アドマイヤーグルーグなど、まだまだいますが、競馬に詳しくない方でも一度は聞いたことある馬の名前があるはずです。これは全てサンデーサイレンスの子供なのですから、この名馬達の名前から想像するだけでサンデーサイレンスの凄さはわかりますよね。
アメリカがサンデーサイレンスを手放した理由
戦後からアメリカでのサラブレット生産は目覚しいほど発展し、いくつものサラブレッド産業会社がつくりあげられました。
現在でも年間で日本の5倍ほどのサラブレッド生産があるといわれています。しかし、ビジネス至上主義のアメリカでは種牡馬、繁殖牝馬、競走馬として活躍する馬は毎年産まれるサラブレットの中でもほんの一握りにしか過ぎません。
現在のアメリカにおけるサラブレッド産業社会はピラミッド型になっており、Aランク、Bランク、Cランクという風に、3つの階層に分かれているようです。繁殖牝馬や種牡馬にもこの3段階のランク分けがされているようです。
よって、配合にもAランクの繁殖牝馬にはAランクの種牡馬、BにはBを・・・という風に区分されているようです。
ここにサンデーサイレンスが日本へ売られることが可能になった理由があります。
サンデーサイレンスは父馬が「ヘイロー」という名馬ですが、母馬はウィッシングウェルという雑草血統だったのです。
日本ではAランク種牡馬にCランクの繁殖牝馬を掛け合わせたりすることは多々ありますが、アメリカではCランクの馬が競走馬としていくらいい成績を残しても同じランクの馬と繁殖させています。ランクの低い馬を掛け合わせることで産駒の値段が下がってしまう傾向がアメリカにはいまだにあるようですね。
このような背景からアメリカではサンデーサイレンスの評価がとても低くかったようですが、父親にヘイローという名馬がいるサンデーサイレンスを日本が目をつけたのです。
結果、サンデーサイレンスは日本で種牡馬として大成功し、現在の日本の競馬界にも大きな存在感を残しています。
このページに出てくる気になるワード
- 【産駒】(さんく)
- 特定の母馬、父馬から生まれた馬のこと。
- 【G2】(じーつー)
- 獲得賞金によってクラスわけされたレースのカテゴリーの一つ。G1が最も高いレベルで、G2、G3とつづく。