仔馬は4月頃に産まれるのがベスト
サラブレットの生産で仔馬は4月に産まれるのが1番良いと言われ、生産者はその頃に合わせて種付けをさせることが多いです。
理由としては、日本の競走馬生産のほとんどは北海道で行われていますが、冬の北海道は積雪があり、日照時間も短いため、冬に仔馬が産まれると運動量が不足し、成長が遅れがちになってしまうからです。
気候や日照時間のことを考えれば5月、6月のほうがよさそうにも思えますが、誕生から2年経った2歳の夏(早ければ6月ごろ)にはデビュー戦が控えているため、時期が遅くなると身体的に不利になってしまうという理由もあるようです。
引退後の牡馬、牝馬
繁殖牝馬は仔馬を産むと半年程は仔馬と一緒に生活します。
仔馬が自分で草を食べられるようになると、乳離れが行われます。仔馬は仔馬ばかりが集まる厩舎へ移動し、母馬は繁殖牝馬が集まる厩舎へ移動します。母馬は来年の出産に向けての準備がはじまります。
馬の妊娠期間が11ヶ月なので、出産が終わったと思ったらすぐに次の種付けが行われます。繁殖牝馬は引退後はずっと仔を宿していないといけないので、とても大変だと思います。
もちろん種牡馬も大変です。競走馬を引退すると全ての牡馬が種牡馬になれるわけではなく、成績優秀なトップエリートのみが種牡馬になれます。それ以外の馬は乗馬用の馬として引き取られるか、廃用となるケースもあります。
シンジケート
シンジケートとは、馬主や生産者が株主となり資金を出し合って種牡馬を共有し、種付け権利を株として販売し、出資者を募る形をとる仕組みです。
競走馬として優秀な成績をあげたトップエリートの牡馬は種牡馬として活躍しますが、その種牡馬を購入にあたっての金額は数十億円にもなります。
種牡馬の産駒達がレースに出始めて結果が出始めるのが、産まれてから4年後です。また、その産駒が絶対に活躍できる強い馬であるかも、走らせてみなければわかりません。
もし産駒が走らない場合はその購入資金が水の泡になってしまいます。
このようなリスクを分散するためにシンジケートという方法が用いられます。
そう言った意味では種牡馬の購入もある意味ギャンブルと言えるでしょう。
期待ハズレのラムタラの産駒
欧州3大レースを制した「ラムタラ」という馬が鳴物入りで96年、日本競馬界へ輸入されました。
当時、種牡馬として絶大な力を誇っていたサンデーサイレンスを有する社台グループに対抗するためにに日高の生産者グループが巨大シンジケートを組んで購入したようです。しかし、今のところ日高の生産者の期待を裏切り、ラムタラの産駒は走っていないようです。
初年度は1頭の種付け料1200万円でしたが、今では十分の一に下落しているといわれています。原因としては日高には優秀な繁殖牝馬がいなく、ラムタラの能力を十分に遺伝しきれていないといわれています。
このように、種牡馬の購入に関してはとても難しい世界だといえます。